アメリカではスカラムーチ広報部長がたったの10日で解任されました。正式に就任する前に取り消されたとも云えます。ムーチは、まるで映画パルプ・フィクションの登場人物のように喋り、それが恐らく原因で、あっという間に首にされました。首を決めたのはケリー新首席補佐官で、就任したほぼその瞬間の出来事です。
首にしたのはトランプ大統領。アプレンティスというテレビ番組で、若者相手に「You are fired!」(お前は首だ!)とバンバン云ってましたが、まさにそれをホワイトハウスの中で行いました。かたや日本でも、次々と出る流行語大賞候補は、軒並み国会議員の口から出ていたりします。現実がフィクションを超える時代。問題はこれが一過性の出来事なのか、New Normal、即ち新しい標準なのか。恐らく後者でしょうね。そんな時代のマーケット、ビジネスを見通すことは簡単ではありませんが、流れに身を任せながら、よく観察し、見極めたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。