週末に、或る仏像に会いました。前に一度会ったことのある仏像ですが、それはもう40年以上前のことです。その仏像の周りには多くの仏像があり、これは凄い!
と圧倒を受ける仏像も居たのですが、40年前の記憶で覚えているのはその仏像ではない、或る仏像と、その周りの雰囲気です。

他の仏像は覚えていないのですが、多くの仏像が薄暗い中にあったのはぼんやりと覚えています。しかしその雰囲気が過去の記憶と違う。その或る仏像の向いている方向(もちろん東西南北ではなく、仏像たちの置かれている建物の中での入口に対する向きなど)も記憶と違う。そこで係員に、建物がいつ出来たかを尋ねると、57年、即ち昭和57年、35年前のことでした。私が前に訪れた時よりあとに建てられた訳です。

私の記憶は断片的なのですが、その仏像の顔と手と姿勢と、そして周りの雰囲気は克明に覚えていたのです。私の記憶は、文字で覚えるのではなく、映像で覚える傾向が強いです。タイムスリップした私の記憶は、今見ている映像と混ざって、新しいあやふやな記憶となることでしょう。でも、久し振りに会えて良かったな。

今度は、40年ぶりではなく、すぐにまた、そして長い時間、会いたいと思います。
そうして新しい記憶を、あやふやではなく、輪郭のハッキリとした記憶にしたいと思います。邂逅とはこういうことを云うのでしょうか?