約5年いた千代田区麹町にある本社オフィスと、今日でお別れです。引っ越し前にやらねばならないこととして、いつも出前を頼んでいるおそば屋さんに直接行き、いつも食べるそばを食べ、それからお店の人に引っ越しをすることの報告と、今まで美味しいおそばを毎日のように食べさせてくれたお礼を云いました。御主人とその先代のおじいさんは、びっくりし、とても残念がり、そしてお礼を云ってくれました。いつもたった一杯で出前を頼むのに、とても喜んで下さり、本当にありがたいことです。やはりおそば屋さんは、或る意味勘定抜きに、おそばを好いてもらうことが嬉しいのでしょう。
今回はかなり徹底的に断捨離をしたので、新オフィスに持っていくモノは少ないです。こうして引っ越しの度に持ちモノは減っていき、変わっていきます。しかし、マネックスを創業する前から、どこに引っ越しても常に私の机の上にあるモノが2つだけあります。1つはヒューレットパッカードの計算機、HP12C。私が新卒の時から既に30年間愛用している、ヘビーデューティーな金融計算用専門計算機です。但しこれは、同じ製品ではありますが、何回か買い換えています。
もうひとつは、海の中の珊瑚礁を模した、どこかのお土産品のような、直径8センチぐらいのガラス玉。これは前職ゴールドマンサックス時代に、大好きでとても尊敬していたIさんのオフィスの丸テーブルに置いてあった飾りです。Iさんに相談に行くと、いつもその丸テーブルに座って話したので、常に視界にあったのです。Iさんがなくなられた時に、このガラス玉だけ思い出にいただきました。初めて自分のデスクにこのガラス玉を置いた時は、とても嬉しいというか、誇らしいというか、安心というか、特別な気持ちになったことを今でも覚えています。
その初めてデスクに置いた時と同じビルに、この週末に引っ越します。それでは麹町に最後のお別れをしてきます。良い週末をお迎え下さい。