週末にアメリカを本社とするグローバル企業の役員たちと話す機会がありました。主にアメリカ人です。話題はやはりトランプ。不安、不満、恥ずかしい、そして怒り。そんな話ばかりでした。アメリカの新聞やテレビで報道されているのと同じトーンです。そしてそれは、日本で報道されているのと、方向性は変わりません。

彼らは一様に私に、日本ではトランプはどう思われているのか、と聞きます。その問いに対して、私は以下のように答えることにしています。

私はトランプの政策自体を評価する立場にない(アメリカ市民でないから)。ただ云えることは、トランプはアメリカ市民の半分の意見を反映していると云うことだ。その文脈で、注意深く観察しているよ、と。

こう云うと、彼らは一旦、それはそうだ、と云って静かになるのですが、程なくまたトランプ批判を始めます。

報道だけでなく、このような人たちと話してすら、結局は、アメリカに於ける残り半分の声は、海を越えては聞こえて来ないと云うことを、痛感しました。
週末に話した彼らに対する返答のように、私はトランプの政策自体について何かコメントしている訳ではありません。敢えてするならば、色々と問題が多いと思います。特にその内容よりも実施の仕方に、大きな問題があると思います。ただ、この聞こえてこない残り半分の声を想像しない限り、今何が起きているかは分からないのだと思います。

ニュースを見ても、マーケットを見ても、この想像力を忘れないようにしたいと思います。