アメリカの会社の取締役会は長いです。全てのアメリカの会社がそうとは限りませんが、知る限り、大企業においては長いです。私が社外取締役を務めているマスターカードの取締役会は年に4回ですが、その一回の拘束時間が、最低でも丸2日間です。2日間で、取締役会自体が10時間以上、委員会が2時間、その他会議が数時間、加えて二晩続けて仕事のカクテル&ディナーがあります。その他にオプショナルな集団行動もあるのですが、それらを除いても、上記のようなメニューになります。
社外取締役と会社の関係は、日本におけるそれとは明らかに違います。会社側の役員やCEOと、社外取締役の権能には明らかな差違があり、その関係は一定の緊張感があり、社外取締役はCEOや会社側役員を監督し意見を云う立場ですが、一方社外取締役はその仕事をきちんとしないと株主から訴えられる構造が、クリアです。我が国の企業経営は、決して他国に劣るものではないと思いますが、少なくとも「コーポレート・ガバナンス」と云う用語の下に日本がしていることは、仏作って魂入れずで、形式だけに陥っているように見えます。
この2日間のプロセスの中で、もちろん私は学びに来ているのではない立場ですが、ガバナンスに限らず、世界の決済ビジネスの潮流、最新のテクノロジー動向、広い意味でのお金の在り方を、色々知り、考えることになります。まだ半分も終わってないのですが、しっかりと刺激を受けて、そして与えて、帰りたいと思います。