日銀の金融政策が、また一歩、新たな領域に入りました。その名も長短金利操作付き量的・質的金融緩和。またの名をイールドカーブ・コントロール。中央銀行が、短期金利だけでなく、長期金利も、そのレベルまで調節するということで、「そこまでやるか!」という感じではありますが、毒を食らわば皿まで、この際中途半端にコントロールしようとしてもあまり意味がないし、或る意味で、これは日銀によるイノベーションだと思います。
出口はどうするかとの問題もありますが、ま、今はいいか!出口を考えるよりも、デフレ完全脱却、経済のポジティブな回転への入口を考えるべきでしょう。然しながら、気を付けなければいけないことのひとつに「マーケットの人材」の問題があると思います。ここまでコントロールすると債券トレーダーのすることがなくなって(まぁ、今もほとんどないですが)、市場に人材が育たず、その結果人材が薄い中での出口となり、荒れ方が大きく増幅するリスクがあると思います。たかが人間、されど人間。このようなコントロールされたマーケットの中での人材の育成は、強い意志を持って臨まなければいけないでしょうね。