遡ること8年以上前、当時白川総裁時代の日銀は、銀行が日銀に預ける当座預金に付利する、即ち日銀が民間銀行に利息を払うという奇策を導入しました。当時はリーマンショック直後であり、民間銀行を助けるために導入された半年程度の時限的な措置であったところ、今まで延長されてきた経緯があります。
最近マイナス金利政策が導入されましたが、これはあくまでも追加的な当座預金部分についての話であり、元々の歩留まりたる200兆円を超える当座預金に対しては、今でも0.1%の付利が行われています。200兆円に対して、日銀が民間銀行に対して、0.1%の利息を支払っているのです。そして新たに増える当座預金について、それは200兆円に較べれば遙かに小さい部分の筈ですが、その一部は0.1%の付利がされず、一部はマイナス0.1%が適用されるだけです。
そもそも中央銀行が、民間銀行から受け入れる当座預金に付利するのは、古今東西、聞いたことがありません(これはしかし、古今東西と云うと、私の知らない小さな事実がどこかであるかも知れません)。

然しながら、マイナス金利部分は銀行の利用者にコスト転嫁していくとの報道を聞いて、私はビックリします。200兆円についての0.1%の中央銀行からの補助についての説明がほとんどされていません。これは銀行からもそうですが、そのような報道もあまりありません。これでいいのか!と私は思いますが、私の思考回路はどこかずれているでしょうか?