今日は立春です。立春になると必ず思い出す歌が、古今集の巻頭にある(二首目)紀貫之の歌です。「袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ」-数ある和歌の中で、最も好きな歌かも知れません。8年前の今日に、私は以下のようにつぶやきに書いています。
・・・凍った水を立春の風がとかしていく。氷と風の組み合わせが、如何にもキラキラとした光景を思い浮かべさせ、冬から春への再起動、躍動、希望を、言葉の意味だけでなく、ヴィジュアルなイメージの中に思いっきり解き放っている、本当に素晴らしい歌だと思います。・・・
私がこの歌を初めて好きになった、心に染み入ったのは、マネックスを創業するために準備をしている時で、神社で引いたおみくじに書いてあったのです。混沌とし、先行きが良く見えない時に、圧倒的な輝度で私を照らしてくれたことを思い出します。今のマーケットや世界情勢も混沌としていますが、そういう時こそ、この歌の素晴らしさが響きます。
貫之はどういう状況でこの歌を詠んだのでしょうか?明るさをもたらしてくれるのは人の意志です。いい年にしていきたいですね。