報道によると、6月下旬に集中する上場企業の株主総会を7月以降にも開催できるようにする方策を、省庁や取引所などで検討していくとのこと。総会が集中しすぎて株主があまり参加できないという問題や、決算、招集通知発送、総会、という流れの期間の長さ・関係に制約があるため、結果招集通知発送から総会までの期間が短すぎて、株主がしっかりと議案を吟味できないという問題を解決しようとの動きです。これはいいことです。ようやくここまで来たかと、資本市場オタクの私としては感慨があります。

なるべく多くの株主が総会に参加できるようにと敢えて総会を土曜日に開催したり、株主提案権をホームページで案内したり、ということを私たちは15年前からしてきました。今回の動きを引っ張っている省庁の中には、かつて社外取締役の義務化などの方向に反対した省庁もあります。しかしここまで来た。コーポレートガバナンスの充実に対する意志が、ようやく日本でも腰の入ったものになってきた感があります。

しかしスチュワードシップコードとか、コーポレートガバナンスとか、カタカナや枠組みを持ち込むだけでは、仏作って魂入れずになりかねません。実効性のある社外取締役とは誰か?株主の意見の反映を実効性のあるものにするにはどうすべきか?そしてそれらを実現するための具体的な制度や運用とは何か?課題はまだ多くあるのですが、このニュースは明るい兆しを感じさせてくれました。