日銀の国債保有残高が、3月末で201兆円となり、初めて最大の保有者となったとのこと。2番手は保険会社で193兆円、次いで中小企業金融機関(信用金庫、信用組合など)が159兆円、国内銀行は130兆円とのこと。一方家計の金融資産は1630兆円で、うち現金・預金は865兆円、企業の金融資産残高は942兆円で、うち現金・預金232兆円とのこと。
国が債券を発行して借金をして、それを日銀や広義の金融機関が買う。国の借金はタコ足配当のように巡り巡って家計の金融資産の膨張に繋がっており(注:同時にその裏側で双子のように借金が膨張しています)、その多くが現金・預金として眠っており、それが広義の金融機関を通じて国債(国の借用証書)を保有している。国じゅう、お金が両建てとなってじゃぼじゃぼに溢れています。
お金の量がじゃぼじゃぼになると、鉢に注いだ水が下の受け皿に溢れてくるように、資本構造(上から順番に優先債務、劣後債務、資本金(株式)とあるバランスシートの右側のことです)の一番底にある株当たりのお金が増え、要は株価が上昇します。いつかじゃぼじゃぼの過剰流動性を吸い取ると予測すると、資本構造の上の方に優先的に流動性を獲得する権利がありますから、いずれ底に溢れた水はひゅーっとなくなるので、株価は下がる筈です。しかしそもそも有史以来、お金の量は膨張を続けているので、波を伴いながらも過剰流動性は吸い取られないと考えれば、株価は波打ちながらも上がっていく筈です。その替わり世の中はインフレ気味になるので株の交換価値だけが上がる訳ではなく、むしろ変わらず、替わりにじゃぼじゃぼの流動性、現金・預金の価値が目減りしていく訳です。うーむ、ややこしい。
しかしこのじゃぼじゃぼ、気が遠くなるような数字ですが、ちゃんと注目していかないといけないですね。