久し振りのオフィスです。世界中どこにいてもネットワークに繋がりますし、すいすいと仕事が出来ますが、顔色だけは物理的に見ないと分かりません。当社は大量にオンラインでの投資セミナーなどを開催していますが、加えて全国を物理的にまわる全国投資セミナーをキャラバン的に行っているのは、お客様のお顔を、顔色・表情を実際に拝見しなければ分からないことがあると考えているからです。同様に、社内のマネジメントも、大体のことはリモートにも何ら問題なく出来ますが、一つだけ相手の目の前に座らないと出来ないことがあります。人事関連のことです。顔色を見ないと、ニュアンスが分かりません。16泊17日の出張中、人事関連の議論だけは、唯一途中で留めておきました。どんなに技術が進歩しても、この肌感と味覚だけは、イノベーションは起きないでしょうね。だからこそ、これらを大切にしていきたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。