盗まれて行方の分からなかったゴーギャンの絵が44年ぶりに発見されたとのこと。1970年に美術収集家の家から盗まれたのち、列車の中に放置され、1975年に行われたイタリア国鉄の落とし物競売で、自動車メーカーの従業員が数千円で落札し、以来その男の家の台所に貼ってあったとのこと。ウソかマコトかマコトかウソか。更に驚くのは現在の価値、20億から50億円程度とのこと!凄いですね。

ゴーギャンは貧困と絶望の中、タヒチで大作「我々はどこから来たのか?我々は何者か?我々はどこへ行くのか?」を描いた訳ですが、小作品であっても数十億円の価値を持つとは、ゴーギャン本人、夢にも思わなかったことでしょう。ゴーギャンは哲学者でもあった。優れた画家も、アインシュタインのような優れた物理学者も、或る意味で哲学的であり、仮説をイメージし、それを問いかけ、しかし何十年もの間それは認められず、いずれ社会が遅れて理解するに至る。そういうことは良くあることです。

物理学などに比べて生物学は、未だ地球上の生物に限った理論しかない訳で、普遍性において、ずっと未発達な領域だと思います。その中で、大胆な新しい仮説を考えた研究者を、よってたかって押し殺すのはよろしくないと私が思ってしまうのは、元来がロマンチストだからでしょうか。