先日或る新聞の「読書日記」と云うコーナーで、愛読書として山田風太郎の「剣鬼と遊女」なる本を挙げたら、思いも寄らぬ反響があり、ビックリしています。先ずはEさん。記事の直後に現れて、爆笑の連続。風太郎的世界の密かな楽しみをよく御存知のようでした。次にAさん。御丁寧にお手紙を下さいました。Aさんも風太郎が好きで、かつてお書きになった風太郎さんの他の本についての書評のコピーも同封して下さいました。

そして今日いらっしゃったMさん。わざわざこの本を各書店で探し、ようやく昨日手に入れたとのことでした。山田風太郎さんは面白い人です。お医者さんであり、科学者であり、厖大な教養を備え、洒脱でとても「美味しい」文章を書きます。その生き方も、考え方も、自由奔放であると同時に、しっかりとした批判精神を持っています。私にとって風太郎さんは、ルネッサンス期の自由人(万能人)のような、そんなイメージを持ったひとつの理想の人間像です。風太郎さんが好きな人とは仲良くなれそうな気がする。−これは読書日記の中に書いたことなのですが、益々その思いを強めた最近でした。