東京でようやく雪が降りました。朝方に、本当にほんのちょっとだけ降った、極端に小規模な雪でした。気象庁が初雪として認めるか興味があったのですか、どうやら認めたようです。47年ぶり、1960年2月10日以来の、都心での遅い初雪記録の更新をしたとのこと。
もう少しで、私にとっては生まれて初めての雪なしの冬になるところでしたが、かろうじてそれは逃れました。雪の歌というと、
「霞たち 木の芽もはるの 雪降れば 花なき里も 花ぞ散りける」
(古今集春歌上巻、紀貫之)
などが好きですが、歌に詠まれているように、花が咲く前に降るのが雪で、既に街には辛夷(こぶし)や様々な早咲きの桜などが咲き乱れた中で初めて降る雪は、やはり異常で、あまり風情を感じるものでもありませんでした。
もしこれが温暖化の所為だとすると、これからは初雪を”感じる”ために、わざわざ北の方に赴かねばならなくなるのでしょうか。しかしそれは難儀です。早く元の気候に戻ってくれるといいのですが、そうでない場合は、私たちの感性をアジャストしていかねばなりませんね。