一昨日、利上げの話を書きました。自画自賛みたいで恐縮ですが、やはり株式市場には悪い影響は全くなく、むしろ株価は元気いっぱいです。すると様々なところから、肯定発言や解説記事が出てきます。毎度のことではありますが、もうちょっと学習効果があってもいいと思います。さて利上げの後に、株が上がった以外に何があったかと云うと、預金金利が上がりました。

しかしたったの0.1%です。利上げは0.25%。これでは消費に与えるプラス効果も半減どころか6割引です。日銀は短期金利を上げると同時に、長期国債は買い続けると云いました。国の資金調達コストなどを上昇させないためです。その結果、長期金利は動いていません。銀行は預金と云う形で広くお金を借ります。或いは日銀からお金を借ります。これらの借金に対して払う金利は一般に短期金利です。そのお金を貸し付けたり債券を買うことによって運用します。これらに対して得る金利は一般に長期金利です。この長短金利差が、銀行の大きな収益源です。今回の利上げでは、銀行が日銀から借りる金利は上がりましたが、運用金利である長期金利は上がらなかったので、個人から借りる金利である預金金利はちょっとしか上げてもらえなかった、と考えることが出来ます。

残念です。こう云う仕組みと云うか、裏事情と云うか、その辺りを良く理解することが、投資全般にとって重要です。そして私たちは、どうしたら理解をもっと深く広めることが出来るかを、真剣に考えて取り組んでいきたいと思います。