円安の行方はどうなるでしょう?最近、何人かの人とこのテーマを話したのですが、少子高齢化の進む国の通貨が長期トレンドで強くなるとは(もちろん不可能ではありませんが)考えにくいと思うのですが、今の円安は、やはり我が国の低金利に起因している一時的なものだと思います。新聞紙上などで「円キャリー・トレード」などと書かれていますが、米国の機関投資家などが、金利が低いので円でお金を借り、その円を売ってドルを買い、そのドルでアメリカの株などを買う、そう云った取引が横行しているので円が安くなりがちになる訳です。

今回香港やシンガポールに行って思ったのですが、これらの地域でも土地などの資産バブルが進行しています。これも日本から過剰な流動性が溢れ出ている所為の可能性があります。或る人に聞いた話では、スペインに於いてですら、「円でお金を借りてユーロに替えて(スペインに)家を買おう!」などと云われているそうです。これは真に由々しき事態です。要は実力以上に円金利が低すぎるのです。G7では円安や低金利問題は大きなテーマとなりませんでしたが、これは執行猶予期間をもらった様なものでしょうか。いずれ金利は引き上げられ、今の円安状態には、或る程度の修正が起きる可能性があるでしょう。本件については、注意深く見ていきたいと思います。