週末に近所の本屋に立ち寄って、目的もなくぶらぶらとしていたら(因みにこの行動は私のお気に入りパターンなのですが)、或る、敬愛する経営者の方の思いを書き下ろされた本が目に入ってきました。恥ずかしながら、私はこの本の存在を知らなかったのですが、思わず手に取りパラパラと目次を眺めた上で購入しました。

これは甚だ僭越な発言ですが、私は或る考え方を尊敬すると云うことはあっても、或る人の全人格を尊敬すると云うことはありません。それはファッショに通ずる匂いを感じて、どうも拒絶してしまうのです。従って、なんか面白いことは書いてないだろうか、と云う程度の気持ちで買ったのでした。

それは兎も角、早速昨晩この本を(どの本であるかは申し上げません)読みました。恰好を付ける訳ではありませんし、私なんぞはぺーぺーの駆け出し経営者ですが、それでもやはり、経営者としての自負があります。全ては結果責任であり、奥歯を噛み締めながら、前進しなければいけない時、或いは”自分以外のもののために”後退しなければいけない時、色々な場面があるでしょう。これは司馬遼太郎の「最後の将軍」の中に描かれた慶喜の心境や行動にも一脈通じたものを感じるのですが、そう云った経営者の思い、矜持を感じて、私は久し振りに感動を憶えました。また経営に関しての、この方の想像力の幅と奥行きにも、改めてビックリしました。少しでも近付けるように、私も切磋琢磨したいと思います。