言葉はそもそも微妙なもので、かつ時代と共に変化していきますから、「何が正しい日本語か」と云うのは、本当に難しいものだと思います。
昨日もこんなことがありました。夜9時まで何も食べられなかったので、それからクイックにお腹に入れるため、お寿司屋さんに入りました。遅くからだったので店の中が段々空いていき、他のお客さんが帰る時のやりとりが良く聞こえるようになりました。「オアイソ!」食べ終わったお客さんがそう云いました。その時は黙っていたのですが、私たちも食べ終わり、一緒に居た友人がやはり「オアイソお願いします」と云ったので、どうしても気になってしまいました。
私の理解では、「お愛想」はそもそも客側ではなく店側が使う言葉であり、しかもそのニュアンスとしては、あまりいいものではないと考えています。「愛想(あいそ)」はいい意味にも悪い意味にも使われるようですが、実際の用法としては、愛想を尽かすとか、呆れて突き放す場面で使われるもののように感じます。気に入らないお客さんの時に店の主人が、「はい、オアイソ」と云って、もう来なくてもいいよとの気持ちも少し込めて使うものだったと、昔或る寿司屋の主人に聞いたことがあります。
昨日もそんな話を友人にし始めたら、そのお寿司屋さんも、「私も昔そのように教わりましたが、今はもう関係ないようですね」と云っていました。もしかしたら一部のお寿司屋さんの間だけの隠語のようなものかも知れません。言葉は生きています。しかし同時に言葉には歴史もあります。いずれにしろ、きれいな言葉、人の耳に障らないような言葉遣いをしたいと、そう思います。その為にはもっと本を読まないといけませんね。