先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、香港ハンセン指数は続伸、創業板指数は反落となりました。上海総合指数は週初の8月21日(月)から強い展開。中国ネット大手の出資が発表された中国聯合網絡通信が取引再開となりストップ高を付けるなどして、その関連銘柄も上昇。さらに混合所有制改革の進展期待から、鉄道などの期待銘柄が買われました。22日(火)から24日(木)はその反動売りなどが入って小動きでしたが、相場が更に大きく動いたのは25日(金)です。

25日(金)ですが、上海総合指数は3営業日ぶりの急反発となり、1年8ヶ月の高値に達しました。この背景ですが、中国石油が2017年上半期の純利益全額を株主に配当の形で還元すると発表し、同社株が大きく上昇したことがあります。先日は香港に上場している中国移動が特別配当を発表しましたが、中国国有企業が株主還元策を採り始めていることを市場は好感している様子で、この日は金融、非鉄金属、鉄鋼、通信機器委など幅広いセクターで上昇がみられました。結局、上海総合指数は前週末比で1.9%高の3,331.522ポイントで引けています。

一方、香港ハンセン指数も先週は週を通して、堅調な株価推移が続きました。本土株同様、週初は中国聯通株が大きく上昇して相場を牽引した他、本土不動産株が好決算に支えられて上昇。23日(水)は台風のために終日休場となりましたが、24日(木)は中国の年金基金が香港での運用を検討しているとの報道がなされたことから大型株を中心に上昇。25日(金)は前述にもある中国石油の株主還元策が評価され、本土大手国有企業が全般的に買われて相場を牽引して大幅高に。結局、香港ハンセン指数は前週末比で3.0%高の27,848.16ポイントで引けています。終値ベースでは8月8日につけた年初来高値の目前まできています。

今週は8月31日(木)に8月の中国公式製造業景況感指数<市場平均予想51.3、7月実績51.4>が、9月1日(金)にCaixin中国製造業景況感指数<市場平均予想51.0、7月実績51.1>がそれぞれ発表されるので注目です。予想を超える実績が発表されれば株価上昇に一段の弾みがつくと思われます。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)