ニューヨークはやはり金融の似合う街です。かつて一緒に働いた人達も含め、様々な金融人に会っているのですが、バイタリティに富んでいて、とても刺激されます。会っている人間は、比較的それなりの歳の人間が多いのですが、尽きることのない興味を金融に持ち続けて、まるで子供のように新しいことを考えているサマには、或る意味で中々感心します。しかし私の知っている範囲では、会社を辞めても軒並み”ファンド”などを設立している人達が多く、それは若干想像力の乏しさというか、興味の領域の狭さを感じます。しかし一方、狭いからこそ、ずっと掘り続けていられるのかも知れません。或いは私の知り合いは金融のセンスに恵まれた人達ばかりであり、いわゆる「生存者バイアス」が掛かっているのかも知れません。

一様に彼らに共通して云えることは、とにかく前へ前へと行こうとしていることです。一種の虚業でもある金融では、前へ前へと云う自転車操業だけが、生き残る、興味を持ち続けられる、唯一の道なのでしょう。もう一つ彼らに共通していることは、案外小さな発見やイノベーションにも、ちょっと大げさに感動することです。これも長続きする秘訣でしょうか。何歳になっても、いくつ歳が離れていても、高校の同級生の間のような口ぶりでお互いに話せるのは、アメリカのいいところでしょう。単純すぎると云う悪さと、明るいと云う良さを持っている国だと思います。

明日からは国際会議に顔を出すのですが、そこではまた違うアメリカを垣間見ることでしょう。特に世界の至る所で様々な国家的事件が起きていますから、興味津々です。それらについては、またこの目で見てから、つぶやきたいと思います。