只今仕事でニューヨークに来ています。NYはかつて仕事をした街であり、或る意味で仕事人としての私の礎を創った場所でもあり、知り合いも多く、勝手も良く分かる、馴染みの深い街です。NYの良さは、世界級のことが日常茶飯事に起き、世界最先端の試みにあちらこちらで接せられ、そして誰にでも何事に対しても許容度が高いと云うことです。今日も仕事でランチをしていたら、やけに警備が厳重だったのですが、パキスタンのムシャラフ大統領が奥の部屋に行くわ、クリントン元大統領がヨルダン国王と王妃と、私たちと同じ部屋にランチしに来るわで、流石にビックリしました。

夕方になって、口の脇におできが出来てしまい、これは私の持病のようなものでもあるのですが、しかしそれが随分酷くなってきてしまったので、薬屋さんに行きました。御存知の方もいらっしゃるかと思いますが、NYの薬局の店頭の品揃えは貧弱です。殆どのちゃんとした薬が処方箋がないと買えないのです。しかし出張中の日本人がNYでお医者さんに診てもらうのは大変です。かつて経験がありますが、先ずは紹介を誰かから得て、予め電話して予約を取り、保険もないので多額の診療代を払い、兎に角仰々しくて面倒なのです。時間もかなり掛かります。さて、薬局に行ってはみたものの、やはり効きそうなものは店頭では手に入らず、落胆して諦めかけたところ、「RediClinic」なる新しいお医者さんがあることを知りました。

NYにはまだ1ヶ所しかないのですが、早速歩いて行ってみました。保険なし、パスポートなし、IDなし、カードなし。口頭で名前、住所、誕生日、症状を云ってカルテを作ってもらい、$69を現金で払ってお医者さんに診てもらいました。とても親切な方で、きちんと説明もしてくれ、安心感と満足感がありました。書いて貰った処方箋を持って同じ店の中にある薬局に行くと、すぐに薬が出てきました。$26。お医者さんには店頭でも買える塗り薬も教わったので、それが$5。計ちょうど$100、時間にして10分ぐらいでした。そしてお陰様で症状はみるみる改善しています。

海外での医療に関して、これほど便利に思ったことはありません。割高ではありますが、それだけの価値があると思います。やはり新しいことの試みの盛んな街です。仕事の面でも、今日は新しい発見がありました。NYでもっともっと新しいものを探したいと思います。