接待なるものは、滅多にしたことがありません。会食は極めて多いのですが、ビジネスの目的があったり、友人であったりで、「接待をするために」と云う心構えで臨むことはまずありません。さはさりながら、時たま、接待目的のために会食をすることがあります。語感から正確に表現すると、「接待をすることはまずないが、おもてなしをすることはたまにある」と云う感じでしょうか。
昨晩がそれでした。大変お世話になった方に、感謝の意を伝え、また楽しんで頂くために、2ヶ月ほど前からおもてなしの方法を考えました。お店を決め、予めお店の女将に趣旨を説明しました。一度ならず繰り返し、思いを正確に伝えました。その気持ちが通じたのか、部屋に通された瞬間から、私の気持ちを正確に、且つプロとして正しい方向に増幅して表現した雰囲気を感じました。全てのやりとりが、「おもてなし」のためにある気がしました。会の目的がきちんと遂行された満足感が、私の心に残りました。このようなことは以前にもあったのですが、その時同様、「気持ち」と云うものが如何に大切であるかを感じました。全ての仕事や動作に、気持ちを持つように努力していきたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。