金融ビジネスを構成するコンポーネンツは何でしょうか。金融というビジネスは、概念的に大雑把に切り分けると、リスクを手放して資金を調達する者(発行体)に対するアクセスと、リスクを取って資金を供給し換わりにリターンを受ける者(投資家)に対するアクセスと、金融に関するノウハウ(即ち人材)の3つから出来ていると云えるでしょう。

今迄の日本に於いては、終身雇用的色彩が強かったので、ノウハウを持った人材の獲得は困難であり、時間をかけて養成するしかありませんでした。しかしM&Aなどが頻繁に起きる最近では、或いは外資系と云うそもそも終身雇用的でない環境で育った人材が増えてきている最近では、人材の流動化が大きく進んでいます。

投資家に対するアクセスを確保することは、例えば個人向けであると全国規模の人的組織を作らねばならず、とても大きなコストの掛かることでした。しかしこれはインターネットの出現とその利用によって、例えば当社のように、嘗ての常識から考えると極めて安価に投資家へのアクセスが作れるようになりました。

発行体へのアクセスはどうでしょうか。これは金融技術の進歩や金融市場の発展によって、嘗ては発行体となり得なかった存在(それは会社であったり、ファンドであったり、実物資産や権利であったりするのですが)も、発行体となれるようになりました。即ち発行体の種類と数が爆発的に増加し、その結果、発行体へのアクセスは以前よりもずっと簡単になりました。

こうして、金融ビジネスを構成する全てのコンポーネンツが、現代に於いてはとても簡単に調達・用意できるようになったと考えています。それは即ち、我が国に於ける金融再編が、これから活発に展開していく可能性を表しています。当社はそのようなアクティビティの中心、核となって、新しい金融を創造していきたいと考えています。