先週の中国株ですが、上海総合指数と香港ハンセン指数は続伸、深セン総合指数と創業板指数は反落となりました。上海総合指数ですが、週初7月31日(月)は4日続伸でスタート。前日終値よりもマイナス圏に沈む場面もあったのですが、中国人民銀行(中央銀行)が公開市場操作を通じて、市場に資金を供給していることが安心感を生んだ他、銅、亜鉛、アルミなどの非鉄金属価格が上昇していることから、素材株が堅調な動きとなり相場を牽引しました。そして、8月1日(火)も続伸。この日は7月のCaixin中国製造業景況感指数が51.1と市場予想や6月実績の50.4を上回ったことが好感されました。経済が堅調に拡大して、金利水準の上昇が続くとの見方から銀行株や保険株などの金融株が買われました。

ただ、2日(水)から流れが少し変わります。2日(水)は利益確定の売りが入って小反落となり、3日(木)は中央銀行が公開市場操作で資金吸収に転じたことが市場心理を悪化させて続落。そして4日(金)は一時小高く推移したものの、終盤に売られて3日続落となっています。結局、上海総合指数は前週末比で+0.3%の3,262.081ポイントで引けています。3日続落とはなったものの、週間ではプラスですし、ここ2ヶ月ほどは15日移動平均線が下値支持線となる形での上昇が続いていますので、今週は15日移動平均線前後での反発が期待されるところだと思います。なお、50日移動平均線と200日移動平均線の推移を見るとゴールデンクロスが発生しており、チャートでは中長期的な買いシグナルが出たところと思います。

一方、香港ハンセン指数は米国株の堅調な株価推移の流れを受け継ぎ、週を通して堅調な株価推移が続いた印象です。引き続き米国の金利先高感が後退していることから、新興国への資金流入期待が増していることや、中国でも中央銀行が金融引き締めの姿勢を緩めていること、中国本土株が上昇していることなどが株価上昇の背景となっています。香港ハンセン指数は8月2日(水)には2年2ヶ月振りの高値を更新。その後は反落となりましたが、強い基調を保っています。結局、香港ハンセン指数は前週末比で2.2%高の27,562.68ポイントで引けています。

先週末に発表された米国の7月の雇用統計で、非農業部門の就業者数が予想を上回ったことからドルインデックスが反発していますが、今週の香港ハンセン指数は先週末比でプラスでのスタートとなっています。相場の基調は強いと言えると思います。なお今週、発表される予定の中国の経済指標ですが、8日(火)に7月の輸出<市場平均予想+11.0%、6月実績+11.3%>と輸入<市場平均予想+18.0%、6月実績+17.2%>が発表される予定です。特に輸出が予想以上の伸びとなれば中国株は一段高を期待できるようになると思います。

コラム執筆:戸松信博

(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)