日本の競争力も、国際会議では一応ネタとなります。競争力がある、ない、色々な意見がありますが、私はそもそも混在していると考えています。日本はホモジニアスな国であり、国際社会の中では、或る意味で閉鎖的です。そして閉鎖的であることと関係があり得ると思うのですが、技術やノウハウを蓄積しなければいけない垂直産業、典型的には車などの製造業に於いては、世界的な競争力を有しています。
技術者や技術自体は、長年キープして全体として育てた方がいいので、半鎖国的な日本は、これらのビジネスに向いているのかも知れません。一方、技術転換が容易で流動性の高い水平産業、典型的にはITや金融産業に於いては、日本の競争力は一般に云うととても弱いと云えます。これは、世界にあるいい技術をなるべく早く、完全に、お互いに真似しながらより良いものを創った方がいい訳であり、その点に於いて、閉鎖的な日本は競争力で劣っているのだと思います。
ですから日本は産業の区別に於いて、競争力が違うのだと思います。しかも、日本は世界の経済の10%以上を有する巨大な国なので、敢えて世界のいいものを導入しなくても、尚大きなビジネスをエンジョイ出来る可能性が高いので、水平産業に於いては、努力が取られないのだと思います。逆さにこの現象を見ると、世界のいいものを、日本国内に対して積極的に摂取して提供出来る金融機関は、競争力を有し得ると思われます。当社としては、是非そのようなポジションを確保したいと、考えを新たに強くしました。