先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数は続伸、香港ハンセン指数は反落となりました。上海総合指数ですが、7月3日(月)は6月のCaixin製造業購買担当者景気指数<市場平均予想49.8、5月実績49.6>が50.4と、予想よりも高い水準となったことを受けて3日続伸からのスタート。4日(火)は中国人民銀が金融リスクの高まりを警戒していることが明らかになったことが市場心理を悪化させ、利食い売りが先行して反落したものの、100日移動平均線がしっかりとしたサポートラインとなりました。

5日(水)と6日(木)は中国の内閣にあたる国務院が養老保険を促進するとの報道から保険株が上昇して相場を牽引。5日(水)に発表となった6月のCaixinサービス業購買担当者景気指数は51.6となり、5月の52.8を下回りましたが、影響は限定的でした。7日(金)は商品価格の上昇から素材関連株が買われ相場を牽引して3日続伸。ただし、当局の金融機関への規制を懸念して金融株が軟調で指数の上昇は限定的でした。結局、上海総合指数は前週末比1.0%高の3,217.957ポイントで引けています。

一方、香港ハンセン指数ですが、週初の7月3日(月)は中国本土と香港市場の債券相互取引が始まったことから、HSBC(00005)や中銀香港(02388)などの関連株が買われ指数を押し上げ、反発からのスタート。しかし、4日(火)は急反落となりました。要因は人民日報がテンセント(00700)の大ヒットオンラインゲームを名指しで批判し、テンセントが急落したことによります。さらにATM引き出し規制を嫌気してマカオのカジノ関連が大幅安となり、相場を押し下げました。5日(水)には当局の批判はテンセントの業績に大きな影響を与えないといったアナリストレポートが出たことからテンセント(00700)が反発して、香港ハンセン指数も反発。しかし、6日(木)と7日(金)は原油価格の急落や欧米の株式市場が軟調だったことなどから続落となり、結局、香港ハンセン指数は前週末比1.6%安の25,340.85ポイントで引けています。

5月まで調整の続いていた上海総合指数ですが、100日移動平均線をしっかりと上抜けてきており強い株価基調となっています。今週は13日(木)に中国の6月の輸出<市場平均予想+9.0%増、5月実績8.7%増>と輸入<市場平均予想+14.4%、5月実績+14.8%>が発表される予定ですが、輸出が予想以上に伸びるのであれば、上海総合指数の上昇に弾みがつきそうです。一方、これまで好調だった香港ハンセン指数は、先週は反落となりましたが、50日移動平均線で下げ止まっているようにも見えるところで、しばらく50日移動平均線前後で日柄調整をこなせれば再び上昇基調に戻れるのではないかと予想します。

コラム執筆:戸松信博

(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)