国際会議に於いて、宗教問題は常にビッグ・イシューです。今回の会議でも、イスラエルのペレス外相が出席して討論する予定だったのですが、ガザの状況が悪い方向に急変したため当然来られなくなり、彼抜きで討論が為されました。中東アラブ諸国からの要人も多く参加し、かなりのブレイン・パワーを巻き込んでの議論でしたが、興味深い事実があります。

これは一般論ですが、今日の世界第二位の経済大国である日本は、宗教的でありません。近未来の世界第二位経済大国である中国も、宗教的ではありません。二つの国には儒教のような哲学はありますが、宗教色は薄いものです。いずれ米国、中国、日本の次に大きい経済国になると云われているインド、因みにインドと中国を足すと世界の人口の4割になりますが、このインドにはイスラムを含み様々な宗教がありますが、国内でも、国外に対してでも、大きな宗教問題は起きていません。宗教問題の重大さとその影響の大きさと、或る意味で宗教自体には関心が低いが影響を受ける範囲の大きさを較べると、不思議なアンバランスがあります。

あらゆる政治家、一国のリーダーは、自分の良心と合理的な判断、或いは政治的判断で行動をすべきであって、神に行動の理由を求めたり転嫁するのは間違っていると思います。