マーケットのボラティリティ(値動きの程度)が上がっています。下がったり上がったり。株価の動きを波動と呼ぶように、恰も海の波のように行ったり来たりしています。値動きが少ない時は、トレーダーは皆、「もっとボラティリティを!」と言っていましたが、今は多くのトレーダーが、激しいボラティリティーに辟易としています。ボラティリティの上昇は日本だけの現象ではありません。世界的に、ワサワサとしています。

一つのきっかけは春先に、ドバイによるアメリカ資産の購入を米議会が拒否したことではないかと思います。ドバイ・ポーツ・ワールドという会社が、アメリカの多くの港のオペレーション(コンテナ作業など)を執り行っているイギリスの会社を買収しようとした際に、ブッシュ政権はOKを出したのですが、ヒラリー・クリントン始め民主党から反対が起き、結果として、米議会はこの買収を拒絶してしまいました。アメリカは、世界中のお金が安心して停泊できる場所であり、そしてその力を背景に、アメリカは世界中にリスクマネーを再供給する、というのが現代世界に於けるお金の流れの基本です。

この米議会の動きは、もちろんアンチ・テロ云々の文脈の中で起きたことですが、結果として、アメリカという国のもっとも重要な作用の一つの信頼を揺るがすことになり、それが資金の流れの逆流を生み、世界中の金融市場の不安定要因の遠いが重い原因になったのではないでしょうか。そこに加えて、バーナンキ連銀新議長の不用意とも思われかねない発言や、日本に於いては会計監査法人の問題やアクティビストに絡む問題が発生し、ボラティリティは上昇していきました。

さて、ここからはどうなるでしょうか?国会がこの週末で閉会します。これによって政争の場外乱闘が激しくなるのか。或いは国会という舞台が閉まることによって雑音が低下し、マーケットは平静を取り戻していくのか。私は後者であると信じていますが、それは国全体にとっていいことです。国会の中でも、同じように認識されることを望みたいと思います。

追伸:「マネックス・オークション」通称:「マネオク」が、新名称「マネックス世銀債いちば」通称:「マネいち」となって本日再開しました。新名称の募集には、多くの方から御応募を頂きました。ありがとうございました。これからも「マネいち」をよろしくお願いします!