今、エジンバラのシャーロット・スクエアという場所にいます。此処は、世界のインベスト・マネジメント−投資運用の発祥の地です。江戸時代の終わり頃、世界的にビジネスに成功した人が多かったこの地では、その金融資産を法律家や会計士に預けていました。ところが預金だけでは利回りも低く、一方で世界中で(例えばアメリカなど)資本に対する需要が高まっていたので、”投資”という形態によって資金を有効活用する仕組みが自然と発生したそうです。
シャーロット・スクエアにある建物の中には、当時からの帳簿が今も残されています。ちょっと見させてもらったのですが、明治初期の頃のお金の出し入れや投資の記録が、キレイに残っています。紙の本に、鉛筆で、手書きで書かれています。伝統的な手法(エジンバラ流の投資哲学や鉛筆で記録すること)には学ぶべきことが多いと思います。温故知新と云うように、それらの中からいい部分を抽出して、新しい仕組みの創造に役立てていきたいものですネ。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。