映画「蝉しぐれ」を見る機会がありました。「気高い」というと若干大袈裟ですが、清々しいというか、素敵な後味のする映画でした。日本映画でこのような感想を持ったのは久し振りです。武士道というか、侍の誇りをテーマにしていますが、言葉も綺麗で、姿勢も正しく、日本的「心」を描き出している秀作だと思います。見終わってから考えてみると、原作がしっかりしている所為かディテールの時代考証などが丁寧である点が、作品全体の質感を高めている気がしました。
「質感」はテーマやストーリーではなく、ディテールに宿るのでしょう。文化は余剰や無駄の中に生まれると言われることがありますが、なべて文化的なものは、ディテールにこそ、その差が歴然としており、或いはディテールの積み重ねが、文化となるのでしょう。ビジネスに於いても同様だと思います。ディテールを大切にするように心掛けていきたいと思います。