先週の中国株ですが、上海総合指数は続伸、深セン総合指数、創業板指数、香港ハンセン指数は反発となりました。中国本土市場は1月27日(金)が休場となり、4営業日の取引となりました。連休前ということで、出来高は低調でしたが、上海総合指数は週を通して強い基調が続きました。キッカケは中国人民銀行が大手銀行の預金準備率を一時的に引き下げ、資金供給を行ったこと。これが市場心理を改善。また、人民元相場の安定や、財政投資拡大への期待感や金属価格の上昇を背景に資源株が買われたことも指数を押し上げています。

中国本土市場ですが、今週は2月2日(木)まで旧正月の休場となり2月3日(金)から取引再開となります。取引再開後の見通しですが、堅調な地合を予想します。中国のGDPを再度確認すると2016年第4四半期の成長率は+6.8%となり、前四半期や市場予想よりも0.1ポイント高い結果となりました。消費は底堅く、12月の製造業PMIを見る限りでは、受注は回復、製品在庫は低水準となっています。景気面では不安が少ない状況である上に、政策金利は低いままに据え置かれている上、当局も各種経済対策を発表してきています。2月に入ってからは3月の全人代に向けて、さらに政策情報が増えると思います。

一方、香港ハンセン指数は反発となっています。香港市場は27日(金)が前場のみの取引となり、27日(金)の後場から1月31日(火)までが旧正月の連休で休場となります。こちらは先週も中国本土株とは違う値動きになっています。週の前半は旧正月前ということもあり、出来高の少ない閑散とした相場状況が続き、値動きも概ね横ばいで方向感の無い推移が続きました。しかし、26日(木)に大幅高。米国株を始め世界の株式市場が強く推移したことや世界的な好景気の波に中国も乗れるとの楽観論が拡がったことが上昇の背景です。香港市場は2月1日(水)から取引再開となりますが、こちらも中国経済と中国株が堅調に推移するとの見通しを背景に、取引再開後も堅調な株価推移が期待できると思います。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)