ブッシュ大統領が一般教書演説を行いました。公的年金に関する部分は興味津々です。ブッシュ曰く、「公的年金システムは2018〜20年には赤字に転落し、42〜52年には破綻する。現在55歳以上の国民には影響を出さない。」裏を返すと、55歳未満の国民に対する公的年金制度は、少なくとも今の形のままでは保証できないということです。要は、べービーブーマー(日本で言う所の団塊の世代)が年金を受け取ると、制度内の備蓄が尽きてしまう訳です。

更に、通常の公的年金は何かしらの形で若い世代が老いた世代を支える仕組みですが、それでは今後の年令構造では回らなくなってしまうので、「個人勘定制度を導入する」。個人勘定制度とは、自分のお金で自分用の口座を持ち、その中に積み立て・運用をし、老後はそこからお金をもらうという、年金制度と言うよりは、勝手に自分のことは自分でしなさいというだけの仕組みです。最後に付け加えて、「我々は『痛みを伴う選択』をしなければいけない、即ち年金受給額を減らすか、年金受給開始年令を遅らせるかである。」

−まるで何処かの国で数年前に聞いたようなスピーチです。
そうです、日本は世界に冠たる先進国なのです。

日本は最初に問題にぶつかったとも言えますが、最初に問題に取り組んだ国だとも言えます。いずれこの問題は、世界中に広がっていくことでしょう。年金問題を当面は抱えないような国の資産に投資することは、日本やアメリカのような国に居ながら、数十年前にタイムトリップするようなことです。国際分散投資は、今後益々その重要性を高めていくことでしょう。