繁閑のギャップを如何に埋めるかは、多くのビジネスが抱える共通の問題です。真夏の午後2時の電力需要に耐えうる発電設備を造ると、全体のコストが上がってしまう−その手の問題です。オンライン証券にも同様の問題があります。

この問題は、主に装置産業の問題かというと、そうでもありません。「小さな飲み屋には大勢で押しかけないべきだ」というのは私の持論です。大勢で占拠してしまうと他のお客さんが入れなくて他所に行ってしまい、一方団体では毎日行けないので、結果として或る期間で見ると空席が増えてしまい経営を圧迫する。従ってお気に入りの小さな店に愛するあまり大勢で行くことは、却って迷惑となりうるので避けるべきである。と、まぁそう考えて、実践しています。

この問題はいずれにしろ「ハコ」を持って営業をしている者だけの悩みかと思っていたのですが、更に広い分野での問題であることを最近知りました。名古屋に出張して一泊した時のことです。夜に部屋でマッサージを受けた所、おばさんが私を揉みながら、「やっぱり愛知万博には大勢来るのかしらねぇ・・」と、暗い声で聞くのです。質問の内容と声のトーンのギャップが不思議なので、揉まれながら話した所、要は、「万博で観光客がいっぱい来る」→「ホテルが予め満員になる」→「比較的間近になって宿を取ろうとするビジネスマンが泊まれなくなる」→「マッサージのお得意さんは観光客よりはビジネスマンなので、愛知万博は不安材料である」という理論展開でした。う〜む。これは中々深い。恐らくおばさんの分析は正しいでしょう。需要の平準化、需給のマッチングは、あらゆるビジネスの永遠のテーマですね。