今朝の新聞によると第一生命経済研究所が、「今春の花粉飛散量は最大級になりGDPを0.6%押し下げるだろう」とのレポートを出したそうです。これには思わず反応してしまいました。冷夏の翌年に猛暑を迎えると、翌春に花粉の飛散量が増えるらしいのですが、これは頷けます。気候の変動が激しくなると生存の危機を感じて、せっせと多くの子孫を残すべく花粉をいっぱい出すのでしょう。
小学生の頃にカニサボテンを育てていたのですが、毎年見事にいっぱいの花が咲きました。コツは春から夏まで水を殆どやらないで放っておくことです。そうすると慌てていっぱい蕾を付けるので、それから水をあげるようにします。危機感が重要な訳です。花粉が増えるという部分はいいのですが、問題はGDPに対する影響です。外出を控えるようになり、消費が落ち込むというのです。これは果たして本当にそうなるでしょうか?
一昨年の冷夏、消費が落ち込む落ち込むと言われましたが、確かに「海の家」は惨憺たる状況でしたが、消費全体は堅調でした。海に行けない家族がデパートに行ったり、或いは家に籠もってオンライン・ショッピングをしたりで、所謂「代替消費」が活発に起きた訳です。花粉症の人も、代替消費をするかも知れません。
或いは、花粉ひとつで個人消費が1.0%落ち込むならば(個人消費はGDP全体の60%を占めます)、テレビ番組ひとつでもいくらか上がったりとか、色々な原因と結果があり、そのうちのひとつに花粉があるだけで、GDP全体に対する影響はお互いに打ち消し合い、大きくはぶれないでしょう。元々のレポートを読んでないので何とも言えませんが、この手の情報は落ち着いて分析する必要がありますね。