先月29日に、私の最も愛した鮨屋が店を閉めました。今年のオフィスの外での抱負は、行きつけに出来る鮨屋を探すことです。もちろん鮨屋はいくつも知っているのですが、例の鮨屋の閉店はホームグラウンドをいきなり失ったようなもので、他の店はどうも「ピッタリ」と来ません。鮨は刺身ご飯ではなくて仕事のされた江戸前の鮨が好みなので、この段階で先ず多くの鮨屋が脱落します。季節感を大切にしたいので、ネタは旬のものだけを出して欲しいのですが、ここでもまた多くの鮨屋が脱落します。美味しければいいかというと、店のオヤジの態度とか雰囲気も気になります。そして意外に大きなファクターとなるのは客層です。
美味しい名店となると、その道のプロ(レストランのシェフ等)やVIPが来るようになり、そういう人が同じ空間にいるとどうも居心地が悪くなったりします。それに、食べ物は食べたい時が美味しい時だと考え基本的に前々から予約することを厭う私にとっては、有名店は結果的に敷居が高くなってしまいがちです。旬のネタで作った江戸前の美味しい鮨で、店は潰れない程度に空いている。照明は決して蛍光灯ではいけない。簡単なようで中々難しそうです。筋のいい若い握り手であれば、談義をしながら好みの鮨屋に変えていくという手もあるかも知れません。ベターハーフを探すような気持ちで気長に行きたいと思っています。
ところで先月29日に「最も敬愛する鮨屋の親父」と書いたところ、私の実家が鮨屋であると思われた方がいらっしゃったようなのですが、それは勘違いです。「親爺」或いは「オヤジ」と書けば良かったのでしょうか。言葉は難しいですね。