来年度予算の政府案が決定しました。詳しく分析した訳ではないので表層的な見方かも知れませんが、気になることがあります。歳出を社会保障費、公共事業費、文教・科学振興費、防衛費、国債費、地方交付税など、の6つに分類すると、前年度当初予算比で見て最も増えたのが国債費で5.0%、次が社会保障費で2.9%です。しかもこの2つは6分類の中で絶対額が最も大きい2つです。逆に最も減ったのが文教・科学振興費でマイナス6.7%。中身を詳しく見ないで象徴的に話すのは危険ですが、しかしこれだけを見ると、後世に肩代わりさせることになるであろう借金と、高齢者向け医療費などが大きく増え、一方で、将来の我が国を背負うであろう後世の教育費、或いは技術革新への投資が減っているように見受けられます。
色々な事情があるでしょう。しかしマクロ的に見て、このままでは我が国の力は衰えていきます。政治家の責任は今目の前にいる人達だけに対してではなく、未だ発言力が弱い、或いは未だ生まれていない人達に対してもあることを認識すべきです。しかしこれは政治家の問題ではないのかも知れません。私たち全員が誰のための国を作っていくかを真剣に考えて世論を形成していかないと、軌道修正されないのかも知れません。予算は国の性格を決めます。これから来年3月の成立まで、下らない誹謗中傷の応酬ではなく、建設的に真面目に大いに議論されることを望みたいものです。