先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数は反発、香港ハンセン指数は続伸となりました。上海総合指数は週初から好調な出足。G20で米国との友好ムードが伝えられたことや、同じくG20でグリーンファイナンス(環境推進事業向けの資金提供)となって環境関連銘柄が上昇したことなどから週の前半は大きく上昇しました。また、9月7日(水)は国務院が積極的な財政出動を行い、景気の底上げを図る必要があるとの発表を行ったことが好感され、上海総合指数は一時3,100ポイント超えとなりました。国務院の発表によると計画済みのプロジェクトの建設を加速する一方、教育、医療、介護などの分野で投資家のアクセスを拡大するとしています。

ただ、上値は重く、7日(水)も長い上ヒゲを着ける形で終値では3,100ポイントを維持できませんでした。8日(木)は中国の8月の貿易統計が発表となりました。輸出は2.8%減と市場予想の4.0%減よりも良く、輸入も1.5%増と市場予想の5.4%減よりも良かったのですが、前場はむしろ株価は下がりました。しかし、終盤になって切り返し、小幅高で引けています。ところが9日(金)は6日ぶりに反落。この日は8月の消費者物価指数が1.3%増<市場予想1.7%増、7月実績1.8%増>、生産者物価指数が0.8%減<市場予想0.9%減、7月実績1.7%減>と発表されましたが材料視されず、しばらく横ばいの株価推移が続きました。しかし、終盤に5日続伸したことに対する利食い売りが出て大きく値を下げて終えました。しかし、週間の上海総合指数は前週末比で0.4%高と週間では上昇となっています。

一方、香港株も堅調な動きとなりました。先々週末に発表された米国の雇用統計の結果が、米国の利上げの早期化を促すほど強い結果とならなかったことから、米国の利上げ見通しが後退して大型株を中心に堅調な展開となりました。また、中国保険監督管理委員会が中国の保険会社に上海市場と香港市場の株式相互取引を認可すると発表されたことから中国本土から香港に資金が流入するとの見方が拡がり、香港ハンセン指数は9日(金)に2万4,000ポイントを超え、同日の売買代金は1,000億HKD台の大台に達しました。9日(金)はその後、利食い売りもあり、上ヒゲをつける形の株価チャートになりましたが、香港ハンセン指数は前週末比で3.6%の大幅高となりました。

今週の香港株の見通しですが、やはり米国株が大きく下げたことが影響して調整局面に入りそうです。ただし、中国経済は人民元安で復調気味であり、前述のように財政出動も検討されていることや、日本や欧州の金融緩和によって流動性が高められていること、また、株価が下がるようなことがあれば米国の利上げ懸念が後退することなどから大暴落につながるような事態にはなりにくいと思います。したがって、しばらくは調整局面が続く可能性があるものの、その後は再び上昇基調に戻れると予想します。今週の中国の経済指標の発表ですが、9月13日(火)に8月の鉱工業生産<市場平均予想6.2%増、7月実績6.0%増>と小売売上高<市場平均予想10.2%増、7月実績10.2%増>が発表される予定です。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)