マネックスでは今、新発の世銀債を販売しています。債券というと通貨、満期、利率などが気になりますが、今日はその債券を買って払ったお金が何に使われるのか考えてみたいと思います。

A社の社債を買ったとします。購入金額はその会社の設備投資などに使われ、会社の責任で利子と元本が将来払い戻されます。その資金によって企業が成長してもしなくても、債券購入者に返ってくるお金の総額は変わりませんから、企業の成長に賭けるなら株式を買った方がいいかも知れません。但し株価は当然下がることもありますが、債券は会社が倒産でもしない限り払い戻されますから、リスクはずっと低くなります。社債は、比較的低リスクで、その企業を支援・応援するような側面があります。銀行に預金するのも、銀行の債券を買うのと同じようなものですが、この場合はそのお金は銀行の融資先に流れることになります。日本国国債を買うと、そのお金は我が国のインフラ造りなどに使われますが、今迄大量に発行された国債の借り換えのためにも使われています。

では、世銀債を買うとそのお金は何に使われるのでしょうか?かつて日本は世銀から多額の借り入れをしました。戦後のダム建設を含めた電力プロジェクト、東海道新幹線なども、世銀からの融資によって行われました。即ち、当時世界の何処かで世銀債を買った人のお金が、今の日本の基盤を作るのに貢献した訳です。今世銀債を買うと、そのお金は発展途上国の様々な社会インフラなどの充実のために使われます。投資が生むリターンには、経済的リターンだけでなく、社会的リターンもあります(ソーシャル・リターンと呼ばれています)。
世銀債の生むリターンには、社会的リターンが追加的に多く含まれていると言えるでしょう。投資にはこんな視点も大切だと思います。