先週木曜日の朝、私がこよなく愛する鮨屋の親父さんから手紙を貰った。簡潔に箇条書きに書かれた手紙には、店を閉めるということと、後続に対する思いが記されていた。短い文章の中に、悩んだ末であろうがもう変わることのない親父さんの強い意志と、鮨と顧客に対する熱い気持ちが滲み出ていた。私は言葉を失った。不意打ちを食らった私は、仕事をしながらも常に気にしつつ、しかし一日の間なにもアクションを取ることが出来なかった。深い感謝の気持ちと、残念な思いが入り交じりながら、夕方、遂に私は店に親父さんと話したい意を伝えた。親父さんは閉店後、電話をくれた。会話の内容は、とても私の筆致の届くところではない。生涯を一つのことに賭け、その道を究めた人の思いに触れられたことに、私は感動し、ちょっと大人になった気がした。親父さんの生きザマと思いは、私なりに年月を掛けて噛み砕き、そして昇華していきたい。