親会社が非上場企業で、子会社が上場企業だと厄介なことになる場合があります。極論を言うと親会社の意向で子会社の状態を操作することが出来、その変化の波の上で新株を発行し波の下で株を買い戻すことも不可能とは言えないからです。なので、親会社が未上場の(継続開示していない)ままでの子会社の新規上場は禁止されていますし、名義書換代理人を自社で行うことを原則禁止するなど、制度的な手当が進められています。

では今起きている西武鉄道などの問題は、単に過去の遺産なのでしょうか?−公開企業とは何か?一般少数株主の利益とは何か?−今回の問題は、我が国の資本市場に関わる数々の重要な問題を孕んでいます。今回の問題のそれぞれについて、きちんと分析し、評価と答えを出していく責任が、市場に関わる全ての主体にあるでしょう。当該発行企業だけでなく、全ての発行企業、経営者、行政当局、取引所、ジャーナリズム、証券会社、投資家などが、曖昧な答えではなく、明確な意見と回答を出し、我が国の資本市場をより良いものにしていかなければいけないと思います。