週末のF1日本グランプリ。F1好きの私にとって、しかも日本人ドライバーが日本のエンジンに押されて表彰台に上がれそうなレースということもあり、事前の期待感はかなり高いものがありました。しかし・・・、私はテレビ放映を結局見ませんでした。日曜日、私は午前中から何度もインターネットで予選の様子などをチェックしていました。本レースが始まっても、やはりインターネットであの手この手で情報を探しました。そうです、テレビ放映はライヴで行われていなかったのです。ケーブルテレビをザッピングしても、F1は何処でもやっていませんでした。ヨーロッパの番組では実況中継されていたのでしょうか?インターネットで結果を知ってしまった私は、或る意味では十分興奮してしまい、また或る意味では今更録画を見ることに白けてしまい、もうテレビは見ませんでした。レースの開始時間が遅れたり、レース中断などで放映時間が伸びてしまう可能性があるとか、或いは生の放映権とレース終了後の放映権でコストが違うとか、実情は知りませんが色々な事情があるのでしょう。しかし野球やサッカーだって同じではないですか?それだけF1の商品価値が低いという、それだけのことでしょうか?F1は正真正銘のコンペティション(競技)です。コンペティションはナマでないとつまらない。昔、セナがジャッキー・スチュアート(だったと思います)のインタビューを受けているビデオを見たことがあります。セナの攻撃的すぎる走法に対してジャッキー・スチュアートが文句を付けるのですが、セナは下手な英語で、「だってあれはコンペティションじゃないか。あなただって分かってる筈だ。あなただってそうしてた筈だ。コンペティションでは一切の妥協はあり得ない。」というようなことをとても熱く訴えかけていました。あの熱い眼差しが今も忘れられません。そんなF1だから、しかも命を懸けて走っている競技だから、彼らに対する敬意も込めて、やはり私はライブで見たいし、テレビ局にも是非ライブで放映して頂きたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。