財務省のHPに、本日の財政制度等審議会での配布資料がアップされましたが、中々興味深いものです。謂わば省庁別のバランスシートを作っているのですが、農林水産省以外は全て債務超過になっています。そこで今年は報道もないので見逃していたのですが、国全体の貸借対照表も確認してみました。毎年9月頃に、2年半前のバランスシートが発表されます。何でそんなに時間が掛かるのか分かりませんが、今年も9月17日に平成14年度分が発表されていました。国と一体と認められる特殊法人等を含めた連結ベースで、資産が814兆円、負債が1067兆円、従って252兆円の債務超過になっています。これは平成13年度に比べて25兆円、債務超過額が増えています。但しこの計算には、公的年金負債が含まれていません。過去期間に対応した将来の年金支払いの全額を公的年金負債として考えると、その額は平成13年度で842兆円、平成12年度に比べて41兆円増えていました。平成14年度も平成13年度と同じ額だけ公的年金負債があったと仮定すると、平成14年度の国の債務超過額は、実に1094兆円もあったことになります。唖然、呆然。しかし、今回発表された貸借対照表からは、公的年金負債を表した別表が削除されています。脚注として、「公的年金の負債については、(中略)年金制度改正が行われ、これを前提とした財政再計算により将来給付見込額が変更されていることから、作成していない。」と書かれています。う〜む、恐ろしいと言うべきか将来の世代に禍根を残さないためには必要なプロセスと言うべきか、或いは情報は公開されていると言うべきか事実上そっと隠されていると言うべきか。私はどちらも後者(必要であるが十分説明されていない)であると考えていますが、大勢の国民が当事者意識を持って見ていくべき問題だと思います。