相変わらずプロ野球界は大揉めに揉めています。私は必ずしもプロ野球に詳しく思い入れの厚い人間でもないので、うかつなことを言うと、微妙な琴線を解していない可能性が高くて恐いのですが、それでもやはり思うことがあります。その1:パ・リーグ6球団目が新規参入するならば、1年後よりも、コーチ、トレーナー、フロントなどの人員が合併球団の1社からすぐに調達出来る”今”の方が容易でありコストも低いだろうという意見は至極もっともだと思う。その2:3社が新規参入に名乗りを上げているが、最初にリスクを取って手を挙げた堀江さんが先ず尊重されるべきだという意見は至極もっともだと思う。その3:今時インターネット関連の会社がプロ野球のスポンサーに1社もない方が、時代の流れとして不自然だと思う。
その4:クラウンライターズ、太平洋クラブ等々色々な会社がスポンサーになってきて、今更”審査”もあるだろうか。少なくとも、現在プロ野球界の経営はうまく行ってない訳で、その経営陣が、新規参入会社の審査をするというのもおかしな話だと思う。
その5:かつての東証の会員権のように、12コの球団経営権を自由に(もちろん反社会的勢力などの排除の仕組みは必要ですが)売買出来るようにしたらいいのではないかと思う。保証金を予め全球団が払い込んでおいて、転売出来ない場合は保証金が没収される。しかし実体的審査はしない。
その6:いっそのことJリーグの川淵キャプテンに野球界全体の経営指揮を執ってもらったらどうかと思う。
−等々、まぁ月並みな意見ですが、多くの人が思っているように、私も思います。いずれにしろ、早期解決を望みます。長嶋監督が元気だったら、ここまで泥沼化する前になんとかなったのではないかという意見も聞かれますが、正にその通りです。私はアンチ巨人ですから、必ずしも長嶋氏のファンではありませんが、たかが人間されど人間、戦争になるもならないも1人の個人のコミュニケーション能力に依る場合もありますから、彼のような存在は大切です。しかしそう考えると、オリンピックでの「監督不在」の中での敗退も含めて、プロ野球界のポスト長嶋作りがされてこなかったことも遠因でしょうか。やはり何事に於いても、集中よりも分散が現代のテーマでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。