今年の台風は次々に上陸をして、各地に甚大な被害をもたらしていますが、「風が吹けば桶屋が儲かる」的に、思わぬところにも影響はあるようです。私はそばが好きですが、そばは実は季節物です。秋に新そばが出てくる時が一番美味しく、私の知っている或るそば好きのそば屋は、秋から冬までが楽しくそばを打てる時期で、一年の他の時期は暇つぶしをしているだけだ、などと言います。そのそばの原料である玄ソバ(げんそば−そばの実)の卸値が高騰しているそうです。国産玄ソバの実に40%が北海道で生産されているとのことで、その北海道を台風18号が直撃し、供給不足が深刻に懸念されているそうです。今朝の日経新聞によると、「北海道産は現物取引が止まったまま気配値が切り上がっている」という表現で、マーケット好きの私の心は躍らせるようなフレーズですが、そば好きの私の心には暗雲が立ちこめます。まぁしかし中々食べられないというと、余計に食べたくなるのが人の心ですから、こういった意外な展開もスパイスの一つかも知れませんね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。