先週、出張で岡山に行きました。日帰りで、町を見る時間は殆どなかったのですが、それでも色々と雰囲気を感じられて楽しいものです。岡山側で待ち受けていた方の御厚意で、ほんの20分程の間に駅前から岡山城まで車で行き、城趾を5分程見て、また駅前に戻ってきました。その間に感じたことは・・・岡山は上場企業が少ないといいますが、やはりどこかのんびりとした雰囲気です。恐らく昔から豊かだったのでしょう。岡山藩といえば備前、池田氏の国です。徳川にも近く、兄弟に当たる隣の鳥取藩を併せると60万石近い大国です。岡山城の造りを見ても、内堀は到底攻めてくる敵を防ぐような規模ではなく、「どうせ誰も攻めて来られやしない」というおっとりとした余裕を感じます。表高で30万石、実高で45万石ほどあったらしいので(そういう国は全国にいくつかあるのですが)、その差から来る蓄えも大きかったことでしょう。現在の岡山県に当たる美作、備前、備中を足すと75万石程度でしょうから、日本全体3000万石として、国の2.5%。現在のGDP500兆円の2.5%は12.5兆円ですが、県の方に聞くと、県内総生産はそんなもんだろうと仰ってました。要は江戸時代から増えもせず、減りもしていない、云々。・・・まぁそんなことをつらつらと考えたりしました。タイトなスケジュールの国内出張は楽ではないですが、このような人文地理的な想像をすると楽しくなります。本当は一晩泊まれて、土地の食べ物と美酒を味わえるともっといいのですが!
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。