今日は重陽です。陽数、即ち奇数が重なる日で、中でも最も大きい陽数である九が重なる今日は中国ではとてもめでたい日です。日本でも祝儀袋に入れるお札は奇数枚ですから、やはりしっかりと中国の影響を受けているのでしょう。九は中国では皇帝の数字であり、紫禁城でも皇帝の入る建物のみ、屋根の四方の先に龍が九匹(数え方は正しいでしょうか)付いており、そのような建物の門には金鋲が9x9で81個打たれています。しかしなんで陽数=奇数は縁起がいいのでしょう?これは中庸の思想と関係があるのでしょうか。或る概念があると、常にその対極をなす考え方が存在し、その中間を見極めることによって卓越した概念が得られる。このモデルでは常に登場概念は奇数になります。陽数が先で中庸が生まれたのか、中庸が先で陽数が生まれたのか、中々興味をそそられます。そもそも中庸の概念がメイド・イン・チャイナなのか、アリストテレスの発明なのか、或いは世界中で思いつかれたものなのかも、不勉強で知りませんが気になる所です。また、正月、桃の節句、端午の節句、七夕に比べて、現代日本では重陽だけ忘れられた感がありますが、何故でしょう?こうしてまた疑問が増えていくのでした。