今日は重陽です。陽数、即ち奇数が重なる日で、中でも最も大きい陽数である九が重なる今日は中国ではとてもめでたい日です。日本でも祝儀袋に入れるお札は奇数枚ですから、やはりしっかりと中国の影響を受けているのでしょう。九は中国では皇帝の数字であり、紫禁城でも皇帝の入る建物のみ、屋根の四方の先に龍が九匹(数え方は正しいでしょうか)付いており、そのような建物の門には金鋲が9x9で81個打たれています。しかしなんで陽数=奇数は縁起がいいのでしょう?これは中庸の思想と関係があるのでしょうか。或る概念があると、常にその対極をなす考え方が存在し、その中間を見極めることによって卓越した概念が得られる。このモデルでは常に登場概念は奇数になります。陽数が先で中庸が生まれたのか、中庸が先で陽数が生まれたのか、中々興味をそそられます。そもそも中庸の概念がメイド・イン・チャイナなのか、アリストテレスの発明なのか、或いは世界中で思いつかれたものなのかも、不勉強で知りませんが気になる所です。また、正月、桃の節句、端午の節句、七夕に比べて、現代日本では重陽だけ忘れられた感がありますが、何故でしょう?こうしてまた疑問が増えていくのでした。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。