昨日のつぶやき<故宮の月>で李白の詩を引用しました。言うまでもありませんが李白には月や酒を詠った素晴らしい詩が多くあります。

「花間一壷酒 独酌無相親 挙杯邀明月 対影成三人」
(かかんいっこのさけ ひとりくんであいしたしむなし はいをあげてめいげつをむかえ かげとたいしてさんにんとなす)

「月下独酌」の冒頭の四句です。「花咲く木の側に酒の瓶を持ち出し、一人で酌して飲むが一緒に飲む相手はいない。杯をかかげて明るい月が昇ってくるのを迎え、月明かりによって出来た自分の影と月とで三人となる。」−という意味でしょうか。詩はこの後、月と影と楽しく飲み、もつれ合う様子へと続きます。

「我歌月徘徊 我舞影凌乱 醒時同交歓 酔後各分散」
(われうたえばつきはいかいし われまえばかげりょうらんす さむるときはともにこうかんし ようてのちはおのおのぶんさんす)

情景も素晴らしいですが、月と影の捉え方も興味深いものです。月が「陽」で影が「陰」、自分は「中庸」でしょうか。中国の文化や思想に対する造詣はあまりないのですが、奥が深いと同時にどこか我々の感性に合う気がし、いつかしっかりと勉強してみたいと思っています。