新聞報道によると、南米コロンビアの麻薬組織が、なんと165億円もの巨費を投入して、「遺伝子組み換えコカ」(GMコカ)を開発したそうです。コカはコカインの原料ですが、早く成長して、かつ通常のコカの2倍程度まで成長する、麻薬組織にとっては「夢の」コカだそうです。まるでゴルゴ13に出てくる空想の話のようですが、事実です。165億円もの資金が使えるというのも驚きですし、開発を成功した有能な科学者は自ら進んで開発に臨んだのか、或いは脅迫されて開発したのかなども気になります。開発目的を知らされずに作ってしまった、などというストーリーもありそうですが、GMコカというとどう見ても目的は予め明らかでしょう。一方でそれだけの技術があるのならば、無害の麻薬の開発にでも頭を使った方が良いではないかとも思われるのですが、それではビジネスにならないのでしょう。原子力爆弾の開発の経緯や、現代に於いても兵器をテロリスト国家に売っている国があるのとどこか似ている気もし、人類の弱さというか醜い部分が見え、どうもやりきれない味の悪さがありますね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。