今朝の日経新聞の文化面によると、日暮里駅前の駄菓子問屋街がなくなるそうです。この夏マネックスで働いているサマー・インターンの小学校の同級生のお父さんが問屋街の一軒の御主人で、丁度その方の記事なので気が付いたという次第です。駅前の再開発事業によるとのことですが、何とも寂しい限りです。この御主人のお店は再開発後のビルの中でも営業を続けるとのことですが、当然今迄のような独特の雰囲気を保つことは不可能でしょう。世界中の色々な場所で、再開発という名の下に歴史的な空間が破壊されていきます。再開発の目的は、安全性の向上、地域経済の活性化など色々あるでしょうが、究極的には「人々の為」でしょう。良かれと思ってすることでしょうが、等質な新しいビル空間を作ることが、果たして本当に「人々の為」になるでしょうか?様々な、異なる価値が存在することによって、その間に興味やアクションが起き、それが文化を彩り、根本的な意味に於いて経済活動のベースになるのだと思うのですが、、、。この手の話を聞くと、もっと短視的で特定の人のみの目的を「再開発」という名前の隠れ蓑に包んでいる疑念を持ってしまいます。まぁ私は部外者ですから本当のことは分かりません。しかし日暮里駅前の空間はノスタルジーを誘う大切な場所だったので、とても残念です。なくなる前に、目一杯くだらないものでも買い食いに行きましょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。