先週の金曜日、Nさんが突然辞任しました。すわ一大事!と思いきや、辞任したのはプロ野球のオーナーだけでした。不正行為について自ら公表することにより襟を正すとのことでしたが、一部報道によると不正行為は既に雑誌社などに掴まれていたと言います−真偽は明かではありません。親会社の代表を辞めたくないから蜥蜴の尻尾切りのように慌てて球団代表だけ辞めたとの穿った見方もありますが、これも真偽は不明です。ところで何故プロ野球の視聴率は低迷を続けているのでしょうか?野球やスポーツへの関心が下がった訳ではないでしょう。イチローや松井の出る大リーグの放送は好調のようですし、アテネ・オリンピックは驚愕の高視聴率を叩き出しています。オープンな世界で−密室での暗躍などない所で−正々堂々と闘う選手の姿を見るのは清々しく、感動的なものです。「お客さん」が−これはプロ野球に限りませんが−何を求めているかをこの機会によく考えて頂けたらとつくづく思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。